ある程度人生を進めると『好きなものがあること』と『好きなものを極めること』は非常に大事だと気付きました。
平成生まれの若輩が人生を語るには少々早いですかね。
人に『趣味ある?(何か好きなものはある?)』と聞かれた時に、大人になると案外『趣味特にないなあ』と返す人も多いと思います。
好きなものがあると人生はより楽しくなるし、他社からり替えの得難い趣味嗜好はあった方がいいと思います。
そんな私の趣味は飲む打つ買うの三拍子お酒と文字を綴ること。
お酒に関しては日々ありがたみを感じながら頂戴してるところですが、 『お酒の作り方って正直知らないなあ』と最近思ったところ。
発酵云々とかは知ってるけど、細かい工程とか正直関心がなかったので工程を特に考えたことはない。
ちょうどそのタイミングで友人からお誘いを頂いたので、趣味を極める為にウイスキー蒸留所に足を運ぶことに。
作業工程さえ分かれば自宅で簡単にウイスキーが作れるし一石二鳥ですよ‼(酒税法違反)
※酒税法 第45条第1項(密造酒類の所持等の禁止)…酒類製造免許無しで1度以上のアルコール飲料を作るのは犯罪だよ
と言うことで前回書いた聖地巡礼の続きで静岡の蒸留所見学に乗り込んでみる。
前回までのあらすじ

前日に寸又峡と奥大井湖上駅を回り、疲労困憊だったので夕方には宿泊宿の『飛龍の宿』様に直行して温泉へ。
ちなみにこの日の歩数は約2万歩、運動不足には少々堪える
4月だったので露天風呂がちょうど涼しい、冬の寒空で入る温泉も良いけどこの時期の温泉もまた風情があって良い。

温泉は結構ヌルっとしてるけど、この成分が美肌を作るのでしょう。蒸留所見学のついでにこの温泉も自宅で作れないでしょうか?
そう思ってたらヌルっとしてる成分で足を滑らせた。その時見た走馬灯にバスロマンのCMが放送されたので温泉密造は諦めて帰りにバスロマンでも買って帰りますよ(何


そして食事。猪鍋と言うやつでした。
少し野性味がある食べ応えと、それが溶け込んだスープが美味だったけど写真撮るの下手だなぁ。
翌日が楽しみで既にお酒を飲んでたので、写真のこと完全に忘れてたよね。

ちなみに朝食のおかずさん。旅館の朝食は毎回美味しいけど、米の量におかずの多さが見合わないのが難儀です。
米をいっぱい食べればいいけどそこまで胃袋は大きくない。旅行の時は外付けの胃袋(ジップロック)が欲しくなる。
いざ蒸留所へ

山奥から山奥への移動になるからほぼ一本道で約2時間ほど。
寸又峡はゆるキャン△ブームもあり至る所でコラボしてました。
しかし蒸留所までは町一つないので山道を延々と進みますよ。
蒸留所には試飲コーナーもあるので、泥酔するまで試飲してやりますよ!
山道×寝不足×後部座席=?
と言うことで泥酔する前に10年ぶりくらいの車酔いが発症しました。
昔は(物理的に)吐くほど嫌いだった車も高校生くらいになると酔うこともなくなり、随分好きな乗り物になったのですが、この山道には勝てませんでした。
ちなみに車の所有者に後ろ席に座ってもらいましたが、その友人も酔ったと言ってたのでお越しの際は酔い止め薬を用意しましょう。

蒸留所到着

と言うことで車酔いと、山の雨に付きまとう濃霧での運転を終えて到着。
静岡の自然と風土に調和したウイスキーを作るガイアフローさんの静岡蒸留所。

メチャクチャ天気が悪いのは日ごろの行いでしょうか。やはりウイスキーの密造は考えるものではありませんね。
そんな邪な考えは捨てて、蒸留所見学に参加させていただきます。
最初のガイダンスの段階で、蒸留所内の撮影OK、ネットやSNSでの掲載も可と仰ってたので遠慮なく掲載させていただきます。
もしこのブログが月間PV数2億とかのモンスターブログであれば広告料のお話とかいただけるのでしょうが、個人でやってるブログなのでそんなこと提案すると『お前さんも蒸留してやろうか』と叱られることまったなしである。
いざ見学へ
見学ツアーは6組くらい、若いカップルから子連れの家族、今回の私のように友人連れから一人参加の方まで計15.6人。
色んな方がこういったものに関心があって、こんな何もない辺境の地山奥まで足を運ぶのか。
ここにいる全員ウイスキー好きなら友達になれそうとも思いましたが人見知りの私には声を掛けると言う選択肢はない。
ツアーで回った順番に紹介していく。
発酵槽


ガイアフローさんの発酵槽はアメリカ産のオレゴンパイン材と、静岡県産の杉材を使ってるそうです。
一般的に使われるステンレス製よりも木材製の方が管理が大変とのこと。
こういったところに静岡の材木を使ってるのが地域との調和なのですね。

発酵槽上部、内部はウイスキーの匂いはしないけど発酵のいい匂いがした。私も中に入れてほしい(何
麦芽粉砕機

大麦(モルト)の貯蔵と粉砕をする機械。イギリス製の歴史ある粉砕機だそうです。
機械に関していつも思うのですが、『この機械は○○国製の機械です。』と言う売り文句がありますが、機械に関しては日本製の方が作りがしっかりしてるのでは?と思ってしまう若輩です。
恐らくこのようなウイスキー蒸留の係る機械は日本製が少ないので、伝統のある海外(今回はイギリス)の機械の方が性能はいいのでしょうね。
ただ最寄りのガソリンスタンドのリフトは『高性能イタリア製チェンジャー導入‼』と謳ってるけど、イタリア製の機械なんか不安しか出てこないぞ?

ハスク(粗い):グリッツ(中):フラワー=3:6:3の比率だそう。
この粗さで味や熟成具合は変わるのでしょうね。
ところでコーヒーにも粗挽きや細挽きってあるけども、あれも味が変わるのでしょうか?
コーヒーは飲めればなんでも良いタイプの人間なので、追々そこも勉強しよう。
糖化槽


日曜日だったのでこの日は稼働しておらず中は綺麗。
ここで糖化した麦汁(ウォート)を最初の発酵槽に移して発酵させてアルコールを作りますとのこと。
蒸留機


3機の蒸留機でそれぞれ違った原酒を造ってるそうです。
これも色々な蒸留機(スコットランド・フォーサイス社製初留釜【蒸留機W】・軽井沢蒸留所で使われていた初留釜【蒸留機K】・スコットランド製の再留釜【再留釜S】)があって非常に面白い。
蒸留方法の違いひとつで味が変わるのだからウイスキーは非常に奥が深い。
なんてことを関心していたら蒸留機の写真をいくつか取り損ねた。記憶に残ってるのであれば良しとしよう。
熟成

樽がいっぱい。ドンキーコングが喜びそう。
バーボンウイスキーの熟成に使った古樽を中心に熟成に使用されるそうです。
そして3年の年月を熟成することでウイスキーが完成するのですね。
そしていざ樽をあけると酒の量が減っている、と言う現象を天使の取り分と言います。
天使の取り分は暴利で有名。ご利用は計画的に。

ちなみにこの樽はプライベートカスクと言う商品で、1樽丸ごとでの購入も可能。お値段は180Lで138万円~225万円。
この樽は蒸留所で保管して、必要分をボトリング(500ml or 700ml)して送っていただけるサービスだそうです。
リッター単価で考えるとメチャクチャお買い得な値段だけど、絶対的な値段で見ると即決できるほどの財力は持ち合わせていないので断念。
蒸留所の紹介したから1樽譲って頂きたいところですが、ウイスキー密造云々を書いてるブログを見られると名誉棄損で訴えられる可能性の方が高いか。訴訟の日は近い。
試飲

ガイアフローさんで製造されるウイスキーが、気の済むまで飲めてしまう試飲コーナー
今回は連れ添った友人と3人で来ましたが、
私…酒飲み。多分肝臓が二つある
友人T…ウイスキー蒸留所を見たいだけでお酒はそこまで飲まない
友人N…基本お酒を飲まない
と言うことで帰りの運転は友人に任せて、酩酊するまでお酒を飲みますよ。Tさんありがとう。
Nさんの頼んだ試飲も頂きながら数種類試飲しましたが、いずれもスーパーでよく見るウイスキーよりもややアルコール度数が高め。
※普通のウイスキーが大体40%、ガイアフローのウイスキーが48~60%、スピリタスは96%)
今更ながらネットでガイアフローのウイスキーの評価を伺うと『バナナ感がある』とのことですが、味の表現が出来ない私からすると『バナナ感って何?』な状態でした。
日本酒の表現とかでも良く見るけどいまだに『フルーティ』と言うのが分からん。酒は酒だろうよ(何
そんなガイアフローさんのウイスキーは味わい深さ(ウッディ?スパイシー感?)と香りの良さが伝わるウイスキー。
ブレンデッド・シングルモルト(直火加熱・間接加熱)いずれも試飲させていただいたけど、ストレートで飲むと少し癖のある具合は非常に私好み。
特に直火蒸留Wの方は香ばしさが非常に強く、飲んだ後に舌と喉の奥にぐっと残る感じが非常に美味でした。
しかし度数が高いのと、ややクセのある感じは普段ウイスキーを飲まない方だと少し気になるかもしれませんね。
香りも良いので度数やクセが気になる方はハイボールにして香りを楽しみつつ飲むのがお勧めだと思います。
…などと偉そうに講釈垂れてますが、試飲中は『うまっ‼』『度数強いから喉にグッとくる‼』『ナッツ類が欲しくなる』くらいしか思ってないです。食レポできる人は凄いね。


最後に併設されてる販売コーナーでお酒を購入して終了。私はブレンデッドMを、友人もそれぞれ別のウイスキーを1本ずつ購入してました。
今回はガイアフローさんのウイスキーだけ買いましたが販売コーナーはガイアフロー以外の輸入ウイスキーもありましたよ。
見学終了

試飲・お酒の購入までして見学会は終了。
ある程度想像してましたが、梅酒や果実酒と違って、自宅でウイスキー蒸留は少し難易度が高そうですね(違
しかし自分が普段何も考えずに飲んでいるウイスキーは様々な工程で、色々な拘りを抱えて製造されてるんだなと思う次第でした。
他の蒸留所や、違うお酒の蒸留所・醸造所に赴けば、また違う拘りが垣間見えて知見も広がるかもしれませんね。
愛飲する宮城峡や余市、なんなら海外の蒸留所見学なんかも面白そうですね。
なんてことを書いてるうちに、何かでビールの工場見学いったなあと思いだす。
思い出した結果、就活時代に某ビールメーカーA社の二次面接かその後くらいにA社の工場見学に参加した記憶でした。
最終面接で落ちたことも思い出したのでこの記憶は発酵槽に放り込んで再び記憶に蓋をする。あと10年くらい熟成すれば酒の肴になるでしょう。

最後は道の駅『真富士の里』で締め(遅めの昼食)を頂いて終了。
静岡県と言うことあってワサビがご立派。自分ですりおろすタイプ。
ちなみにワサビは私が最初に注文した分で品切れと言うことで友人とはこの後ワサビの奪い合い仲良く分けました。
自宅に帰ってからは早速蒸留所で購入したウイスキーを嗜む。一瞬で全て飲み切ってしまったので自宅横に蒸留所を常設していただきたい。
昔愛読していた某ホームページでは『ブログを書き終えるまでが旅行(オフ会)です。』と書いてあったのでこちらの記事の執筆で旅行はおしまい。

そんな具合で楽しい蒸留所見学でした。
お酒じゃなくても、自分が好きなものを知る旅行は楽しいものですね。
次はどこに行こうかと考えると、このブログでも散々お世話になってるスピリタスの蒸留所見学か。
そう思ったらスピリタスは蒸留所見学はおろか海外の公式サイトも出てこなかった。次は日本酒の醸造所でも探そうかね。
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