馬も鹿も馬鹿じゃないし馬の力は1馬力じゃない

雑学

  10年くらい前まではアニメと言えばワンピースとかポケモンとか、日曜夕方の国民的アニメ枠を除けば深夜アニメと言われどうもオタク的印象を持たれてたと思います。

 昨今では各シーズン大量のアニメを放送されて、コラボだのイベントだのも増えて随分と市民権を得たと思います。アニメ。

 けいおん!バカテスをリアルタイムで見てた私としてはアニメ界隈が賑わうのは非常に喜ばしい。一方で呪術廻戦ヒロアカとかのジャンプコミック系のアニメも1~2クール放送なのは少し残念ではある。

画像引用:アニメ「しかのこのこのここしたんたん」公式サイト (anime-shikanoko.jp)

 そんな2024年の夏アニメで放送前から話題になったのが『しかのこのこのここしたんたん』。口にして読みたいアニメ名堂々の第2位である1位はこち亀でお馴染み『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。

 ストーリー性があまりなく、1話完結の話が多いアニメは脳死状態で見れるから助かる。こう言うほのぼの系アニメを垂れ流してるときは心が疲れてる証拠でもある。

画像:Amazon.co.jp: しかのこのこのここしたんたんを観る | Prime Video シーズン1エピソード6 – 夏のシカ祭り

 馬車芽と鹿乃子、二人揃うと『馬鹿』の完成である。いや、悪口とかではなく。でもこのシーンほのぼのしてて好き。

 ところで相手を下げる言葉で『馬鹿』とありますが、この言葉の語源は何でしょうか。ジビエ肉として美味しいのはあまりにも有名ではあるけど。

 馬鹿とは

ばか【馬鹿/××迦】

読み方:ばか

[名・形動]《(梵)mohaの音写。無知の意。「馬鹿」は当て字》

1 知能が劣り愚かなこと。また、その人や、そのさま。人をののしっていうときにも用いる。あほう。「—なやつ」⇔利口。
2 社会的な常識にひどく欠けていること。また、その人。「役者—」「親—」
3 つまらないこと。無益なこと。また、そのさま。「—を言う」「—なまねはよせ」
4 度が過ぎること。程度が並はずれていること。また、そのさま。「—に風が強い」「—騒ぎ」「—正直」
5 用をなさないこと。機能が失われること。また、そのさま。「蛇口が—で水が漏れる」→馬鹿になる

引用:「馬鹿(バカ)」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

 要するに劣る相手や間抜けなことに対して使用する蔑称である。私は言うよりも言われた回数の方がはるかに多い。

 説明に記載の通り、そもそも『馬鹿』に出てくる馬と鹿はただの当て字であり、馬と鹿からしたら激しい風評被害である。馬と鹿に知性があったら訴訟待ったなしだ。

 しかし当て字とは言え語源の部分で馬と鹿が登場する可能性も否めないので、語源についても所説あるけど紹介する。

 また、馬と鹿がジビエとして美味であることの説明はこの際省略する。自明である。

馬鹿の語源

サンスクリット(梵語)の影響


 サンスクリット語の『moha(癡、愚か)』の音写である莫迦の読みからくるとする説。江戸時代の国学者天野信景が提唱した説であり、広辞苑を含め多くの辞典で採用されている。

 なんかよく知らないけど海外の言語に影響を受けるのは言語生成のお約束である。言語の成り立ちとかを見るとここぞとばかりにラテン語が出てくるのと同じである。

『指鹿為馬』の故事を語源とする説

中国前漢の武帝の時代に司馬遷によって編纂された歴史書『史記』に記載のある指鹿為馬(しかをさしてうまとなす)が語源とする説。

 指鹿為馬:誤ったことを、力づくで押し通すこと

 語源の由来:当時絶対的な権力を持っていた趙高は皇帝に『珍しい馬が手に入りました』と皇帝に献じる。皇帝は『これは鹿ではないのか』と尋ねたが、趙高が左右の廷臣に『これは馬に相違あるまい?』と聞くと彼を恐れる者は馬と言い、彼を恐れぬ気骨のある者は鹿と答えた。趙高は後で、鹿と答えた者をすべて殺したという。

 つまりこれが馬と鹿が風評被害を受けてる理由である。愚かなのは人間だった。

若者が転じて馬鹿者に


『若者(wakamono)』が転じて『馬鹿者(bakamono)』となったとする説。

 いつの時代でも若者とは馬鹿者である。

破家説


 破産するという意味の『破家』と『者』をくっつけて、『破産するほど愚かな者』というところから『馬鹿者』という言葉が生まれたとする説。

 やっぱり馬も鹿も関係ない。

馬家説

 中国にいた馬という姓の富裕な一族が、くだらぬことにかまけて散財し、その家が荒れ放題となったという白居易の白氏文集にある詩の一節から生まれたとする説。

 以上である。馬鹿とは馬と鹿のことではない。

 要するに馬も鹿も別に愚かな訳ではなく、本当に馬鹿なのは人間なのであった。愚か者扱いされている馬と鹿から名誉棄損で訴えられる日は近い。

馬の話ついでに馬力の話

 馬の話が出てきたので、ついでに馬力の話を一つ。

 馬力と言えば蒸気機関の生みの親、ジェームズ・ワットさんが考案した仕事率のこと。

『ある重さの物体を、どれだけの時間で、どれだけの距離を動かしたか』という『仕事率』のことを馬力と言うそうです。

 現代だと車とかの最高出力に馬力を使うことがあると思うけど、馬力は値が2種類ある。アバウトな単位にもほどがある。

 原因はメートル法とヤード・ポンド法のせい。日本も尺貫法を廃止したのだから、もうヤードポンド法も廃止でいいのでは?

単位定義1馬力
HP(英馬力)ヤードポンド法に基づく馬力745.700W
PS(仏馬力)メートル法に基づく馬力735.498 75W

 

 ちなみに馬力とは元々『馬一頭の仕事量=1馬力』と定義していたけど、今の馬の馬力は瞬発的には10馬力、競走馬であれば18馬力ほどである。

450kgのサラブレッドがスタートから数秒間、毎秒3メートルずつ加速していく時に発生している馬力について、計算を単純化してみると「450kg/75kg×毎秒3m」=「18馬力」になる。

引用:1馬力ってほんとに「馬1頭分」? 600馬力のGT-Rと馬600頭が引っ張りあったらどっちが勝つのか|ドライバーWeb|クルマ好きの“知りたい”がここに (driver-web.jp)

 アバウトな数値の単位に使われたり、愚か者の代名詞みたいに使われたり、お金を背負って一心に走らされる上、食用にもされるって馬は不憫すぎんか?

まとめ

 こんな確定していない数値を使ってるのだから、やはり馬鹿なのは鹿でも馬でもなく人間である。

画像引用:鉄腕アトム|マンガ|手塚治虫 TEZUKA OSAMU OFFICIAL

 今日の書き荒らし、10万馬力の鉄腕アトムは通天閣(約1,000トン)を1秒間で1メートル持ち上げることが可能な力。オーバースペックすぎる。

 のちにアトムは100万馬力に改良されるけど、100万馬力あればスカイツリー(約4,000トン)2.5個を1秒間で1m持ち上げる。やはりオーバースペックである。

 100万馬力は大体7.45億kW、2022年の東京電力の1日当たりの販売電力量(4.74億kW)でも賄い切れない仕事量である。

 画像引用:鉄腕アトム|マンガ|手塚治虫 TEZUKA OSAMU OFFICIAL

 こんなものを平然と作る博士が一番馬鹿である。

 ちなみにアトムの生みの親は左の御茶ノ水博士ではなくて右の天馬博士。知らなかった。

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